今回のテクニカルニュースの概要


今回ご紹介する事例は、図面指示からたった一文字だけ修正することで、大幅なコストダウンにつなげることができた、筐体板金部品の塗装に関するVE
提案事例です。

お客様からは、SPCC-SDの材質で溶剤塗装が必要な筐体板金部品の製造依頼をいただきましたが、「内面吹きかかり不可」という図面指示があったため、内面側を全面マスキングする工程が必要となり、コストアップの要因となっていました。【内面を吹きかかり不可 ⇒ 吹きかかり可に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!】テクニカルニュース vol.71

そこで筐体設計・製造.comでは、お客様に図面指示の意図について詳細をお伺いした上で、図面指示を「内面吹きかかり可」に変更いただきました。この一文字だけ図面指示を修正するという変更により、マスキング工程の削減につながり、大きなコストダウンにつなげることができました。

 

 

課題:「内面吹きかかり不可」の指示によるマスキング工程がネック…。

お客様から、SPCC-SDの材質で板金部品の製造依頼をいただきました。こちらの精密板金筐体ですが、溶接後に亜鉛めっきを行い、さらに化粧面となる外面には溶剤塗装を行っていました。塗装範囲と塗装後のイメージは下記の通りです。【内面を吹きかかり不可 ⇒ 吹きかかり可に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!】テクニカルニュース vol.71

 

その中で、下記のように板金部品の内面に対して「内面吹きかかり不可」の指示がございました。理由は不明でしたが、部品内面の塗装は不要な部品にも関わらず、「内面吹きかかり不可」の指示がある、という図面でした。

【内面を吹きかかり不可 ⇒ 吹きかかり可に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!】テクニカルニュース vol.71

このような場合、内面をすべてマスキングしていく必要があります。外観部分の塗装だったため、内面側の5面分をマスキングする必要があり、その作業分だけ工数がかかってしまい、コストアップにもつながってしまいます。

 

 

筐体設計・製造.COMの対策:「内面吹きかかり不可」 ⇒ 「吹きかかり可」に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!

そこで筐体設計・製造.comでは、「内面吹きかかり不可」 ⇒ 「吹きかかり可」に図面指示を変更することをご提案いたしました。というのも、「内面吹きかかり不可」というのは

・塗装は禁止(絶対にNG)

・塗装は不要(かかってもよい)

という2つの解釈ができる言葉のため、「塗装が不要にもかかわらず、内面側を全面マスキングせざるを得ないという指示になっている」という場合は、図面指示を変更していただくことで現場での混乱を招くことがなくなり、スムーズな板金部品製造ラインを構築することができます。

【内面を吹きかかり不可 ⇒ 吹きかかり可に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!】テクニカルニュース vol.71

 

今回のお客様にも詳細をお伺いしたところ、内面側は塗装が不要という意味で「内面吹きかかり不可」という指示を図面で出していたとのことでした。そこで「吹きかかり可」という指示に図面にて変更をしていただきました。こうすることで内面を全面マスキングする必要がなくなり、大幅な工数削減につながり、その結果としてコストダウンにもつなげることができました。

 

もちろん吹きかかり可の場合は、塗料が外面から内面に回り込んでくるため、塗装作業中に舞い上がった塗料は内面にうっすら付着します。ただし、下写真のように非常にうっすらした付着になり、色によっては塗装されているのか判別がしづらい場合もあります。そのようなケースであれば、内面がどうしても素材の色でなければいけない、という場合を除いて、内面マスキングを不要にする「内面吹きかかり可」の指示にすることでコストダウンにつなげることができます。

【内面を吹きかかり不可 ⇒ 吹きかかり可に変更することでマスキング工程の短縮&コストダウン!】テクニカルニュース vol.71

 

SPCC-SDからSECCに変更(メッキからメッキ鋼板に変更)することでコストダウンにも!

今回は図面指示の変更によるコストダウン事例でしたが、もう1つのコストダウンする方法としては、板金部品の材質をSPCC-SDからSECCに変更する方法もございます。

板金部品をSPCC-SD(冷間圧延鋼板)の生材からし、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)に変更することで、溶接後のめっき工程を削減することができます。ただしこの手法では、材質変更によって材料費は高騰する点がデメリットとしてあげられます。そのため、材料費の高騰と、めっき費用&めっき工程の1工程分の削減の、2つの費用を踏まえた上で、当社では最適なコストダウン提案を行っております。

メッキからメッキ鋼板に変更することでコストダウン!

詳細は下記のテクニカルニュースをご覧ください。

>>【メッキからメッキ鋼板に変更することでコストダウン!】テクニカルニュース vol.34

 

 

まとめ

筐体設計・製造.comを運営する岡部工業株式会社では、メッキ~組立工程を内製する新工場を構築いたしました。当社は、精密板金筐体や精密板金加工品において、設計の上流工程から、抜き・曲げ・溶接の製造工程、さらにはメッキや組立・検査の下流工程まで、すべてワンストップで対応いたします。特に外観の美観性にこだわりが必要な精密板金筐体については、外観部品も含めた上で最適な精密板金筐体の設計からお手伝いいたしますので、お客様が必要とする板金筐体をきちんと形にしてお届けすることができます。

 

メッキやマスキングに関するテクニカルニュースも過去に発信しておりますので、ぜひご覧ください。

>>【筐体設計時点で塗装のマスキング幅を考慮することでリードタイム短縮!】テクニカルニュース vol.44

>>【生材+導電塗装からメッキ鋼板に変更することでコストダウン!】テクニカルニュースvol.50

>>【筐体板金のマスキング方法を工夫してコストダウン!】テクニカルニュース vol.62

 

 

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