SECCとは、英語で”Steel Electrolytic Cold Commercial”と言われる電気亜鉛メッキ鋼板の略語です。SPCCという似た材料もありますが、SPCCは電気亜鉛メッキが施されていない冷間圧延鋼板です。SやE,P,Cの略語が多い鋼板ですが、おおよそ以下の通りにまとめることができます。

 

S:Steel ⇒ 鋼
P:Plate ⇒ 薄板
C:Cold ⇒ 冷間圧延
H:Hot ⇒ 熱間圧延
C:Commercial ⇒ 一般用
E:Electrolytic ⇒ 電気亜鉛めっき
G:Galvanized ⇒ 溶融亜鉛めっき

 

つまりSECCは、冷間圧延鋼板(SPCC)の表面に電気亜鉛メッキを施した処理鋼板です。SECCはSPCC同様に加工性がよく、また塗装処理での色乗りが良いという特徴があります。

しかし、メッキ層はあまり厚くないため、家電製品、OA機器、事務機器などの屋内向け製品に主に使用されます。また、一般的には処理鋼板の溶接は皮膜の影響で上手くいきませんが、メッキ層が薄いSPCCではTig溶接等でも溶接が可能となります。

またコスト面でも、SECCは処理鋼板の中では比較的安価であり、最も市場に多く出回っている処理鋼板とされています。

 

ただし、SECCの破断面はメッキ処理が施されていないため、破断面だけ錆びてしまう場合もございます。そのため、SECCを加工する際は、破断面の発生とその処理に気を付ける必要があります。