粉体塗装は、さまざまな理由で小ロット対応が難しい側面があります。

粉体塗装は空気中に粉状態の塗料を噴霧し、静電気によって製品に塗料を付着させます。この時、塗装ブースに別の色の塗料などが残っていると、製品に一緒に付着してしまい、塗装不良の原因になります。このため粉体塗装で色替えする場合、塗装ブースや、吹き付けガンの内部などに付着している塗料を全て綺麗に清掃する必要があります。この清掃作業は、溶剤塗装の場合と比較して粉体塗装の場合はより広範囲で、徹底的な清掃が必要で、多くの時間が必要になります。このためなるべく同じ塗料を使用して、多数の製品を塗装しないと効率がわるくなってしまいます。

また、粉体塗料は溶剤塗料と比較して、最小購入量(MOQ)が多いです。溶剤塗料は一般的には4kg缶から購入できますが、粉体塗料の場合は数百kgの単位でしか購入出来ません。