板金材料は塊の状態から板に整形される際に圧入と呼ばれる工程があります。圧延時の方向に材料の組織が引き延ばされ、細長く整列した状態になります。この方向がロール目で、板金材料で通常の鉄板、ステンレス板等はこのロール目はほとんど考慮する必要がないのですが、材料によってはこのロール目を考慮する必要があります。

 

板ばね用ステンレス材

曲げ加工する時は、ロール目と水平方向だと折れてしまいます。
⇒ 板ばねとして繰り返し力が加わると、曲げ部分から折れる可能性があります。
⇒ そのため板ばね用ステンレス材の曲げ加工をする際は、ロール目と垂直方向に曲げ加工する必要があります。

 

アルミ

ロール目方向で曲げると曲げ外側にひび割れ(クラック)が発生してしまいます。
⇒ 一方でロール目と垂直に曲げても、ひび割れにつながってしまいます。
⇒ そのためアルミを曲げる際は、曲げ方向をロール目に対して45度に傾けて加工することで、ひび割れを防止する必要があります。