寸法公差とは、製品の品質と組み立て精度を保証するために不可欠な、極めて重要な指示です。
工業製品を寸法の誤差なく完璧に作ることは現実的に不可能です。そこで、「この範囲のばらつきであれば、部品として問題なく機能する」という許容範囲を定めたものが寸法公差です。これは、設計上の基準となる寸法(基準寸法)に対して許容される、上限と下限の範囲を示します。
図面では、主に以下の2つの方法で指示されます。
1. 個別公差 特に精度が求められる寸法に対し、寸法数値と共に「10±0.1」や「20 (+0.1 / -0.02)」のように、一つひとつ公差を記入する方法です。
2. 普通公差(一般公差) 個別に指示がない全ての寸法に適用される、包括的な公差です。図面の注記欄などに「指示なき寸法公差はJIS B 0405-m」のように一括で指示します。