今回のテクニカルニュースの概要


今回ご紹介する事例は、特殊寸法の風穴加工が必要だったため、特注パンチの製造もしくはパンチの追い抜き加工が必要だった風穴付き精密板金加工品に対して、風穴寸法を変更し、保有しているNCT金型を使用することで、コストダウンと同時にリードタイム短縮にも成功した技術提案事例です。

お客様からは、3.1mm×40mmという特殊寸法の風穴が64カ所必要な精密板金パネルの製造のご依頼をいただきました。しかしこのサイズの小判型NCT金型を当社では保有していなかったため、複数のパンチを用いて1カ所7パンチする追い抜き加工を行うか、新しく特注金型を作る必要がありました。しかしどちらの方法であっても、時間的にも費用的にもコストがかかってしまいます。

そこで筐体設計・製造.COMでは、当社が保有しているNCT金型を採用するように寸法変更のご提案を行い、1カ所1パンチで加工できるようになり、投資費用を最小限に抑えて素早く精密板金パネルの加工を開始することができました。

 

 

お客様の課題:1カ所7パンチの追い抜き加工が必要で、合計448パンチも必要になってしまう…。

当社では精密板金筐体の製造を多く担っていますが、特に空調関連の筐体で多くなるのが風穴付きパネル精密板金部品です。風穴パネルは、その機能ゆえに比較的穴数が多い形状を取ります。

今回お客様からご相談いただいた元々の風穴寸法は、3.1mm×40mmという寸法で、この風穴が64カ所必要な風穴パネルの製造のご依頼をいただきました。しかしこのサイズの小判型NCT金型を当社では保有していませんでした。

 

金型がない場合は、このようなパネルの加工をする際は、上図のように追い抜き加工をする必要があります。具体的には、

  • 3.1×6  小判×2
  • 3.1×8  長四角×4
  • 3.1×4.2 長四角×1

という3つのパンチを使って、7パンチ必要な追い抜きで一か所を加工しなければいけません。これは、バリを考慮する必要があるため、パンチした箇所を重ねた追い抜き加工をする必要があるためです。つまり、このような風穴が64カ所あったため、合計で7×64=448パンチ必要となってしまいます。

このように特殊な形状の風穴が採用された風穴付きの精密板金パネルの加工を行う際に、該当する大きさの金型がない場合、新規で金型製作を行うか、上記のように追い抜き加工をする必要があります。

しかしどちらの方法であっても、時間的にも費用的にもコストがかかってしまいます。

 

 

筐体設計・製造.COMの提案:保有しているパンチに合わせて風穴寸法を変更し、工程を1/7に削減!投資費用も削減!!

そこで筐体設計・製造.COMでは、当社が保有しているNCT金型の中から、お客様が指定された風穴の寸法に類似したパンチを選定し、風穴寸法を当社の金型に合わせて変更いただくように設計変更してほしいという旨でご提案をいたしました。

風穴の寸法をパンチに合わせて変更することで、保有している金型を用いて、風穴を1カ所1パンチで加工することができるようになります。この変更により、従来は1カ所7パンチ必要だったところを、1カ所1パンチで加工できるようになり、合計で64カ所必要だった風穴の加工工程が7分の1に削減することに成功しました。また、特殊寸法の金型を製造する必要もなくなったため、投資費用を最小限に抑えて精密板金加工をスタートさせることができました。

 

当社で保有している金型リストは、下記よりご覧いただけます。また、長穴以外の抜き金型から曲げ金型まで公開しております。

長穴金型一覧

また、風穴加工の方法をタレパンからレーザーによる加工への工法転換も可能ではあります。しかし、ピッチが小さい風穴加工では、レーザーだと熱が集中してしまい、歪の発生につながる恐れがあります。そのためレーザーによる風穴加工の場合は、熱が集中しないようにするために、風穴の抜き手順を考えないといけません。あわせて、レーザーによる風穴で、万が一パンチよりも反りが発生するようであれば、加工工程を考慮する必要があります。さらに、レーザー加工よりもタレパン加工の方が安くなるケースも多くなります。

 

 

まとめ

どうしてもレーザーで風穴加工をしなければならない、という場合以外は、タレパンで加工すべきか、レーザーで加工すべきか、よく検討する必要があります。そして当社では、タレパンでの抜き加工にも、レーザー加工機による抜き・切断加工にも、どちらにも対応しており、お客様の形状や製品の使用用途に合わせて、最適な加工方法のご提案をいたします。場合によっては、当社の加工設備の都合に合わせていただき、お客様の図面を一部変更するような技術提案もいたします。

 

筐体設計・製造.comを運営する岡部工業では、お客様への日々のVE提案に加え、生産性の高い機器を積極的に活用することで、お客様のご要望に柔軟に応えて参ります。筐体の設計・製造、あるいは筐体の板金部品加工など、お困りのことがありましたら当社にご相談くださいませ。

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