今回のテクニカルニュースの概要
今回ご紹介するのは、筐体や複雑なカバー類で見られる「R形状のコーナー部に外向きのフランジ(立ち上がり)がついた部品の製作における課題解決事例です。
通常、このような形状は複数の部品を溶接して製作しますが、溶接の煩雑さ、研磨仕上げの手間が大きな課題となっていました。 そこで当社では、溶接・研磨工程を完全に排除し、曲げ加工のみで高精度な一体成形を実現しました。

課題:Rのコーナー部のフランジ部品の溶接、仕上げ工程に工数がかかる
下図のような、曲線を伴うR形状の外側に立ち上がり(フランジ)がある部品を製作する場合、従来は以下のような工程で製作しておりました。
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部品の分割と溶接: 板金部品とフランジ部品を別々の部品として製作し、板金部品をR曲げした後にRのコーナー部のフランジ部品を溶接する。
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研磨仕上げ: 溶接跡を消すためにサンダーで研磨を行う。

上記の工程で製作しておりましたが、コーナー部の部品は小さく、位置決めもしにくいので、溶接の作業性もよくありませんでした。
結果、コスト増加とリードタイムの長期化を招いていました。
筐体設計・製造.COMの対策:ガイドプレート(特注治具)を活用し、曲げ工程だけでRのコーナー部のフランジ部分の加工を実現!
当社では、この課題を解決するため、「ガイドプレート」(特注治具)と呼ばれる専用の治具を開発し、活用しました。
これは、R曲げを行う際、Rのコーナー部のフランジ部分が拡張されて膨らもうとする力を、金型にセットした「ガイドプレート」で物理的に抑え込むという手法です。このガイドプレート(特注治具)を活用し、曲げ工程でのみで部品製作を部品が完成するように工法転換を行いました。
このガイドプレートを使用したR曲げ加工の様子を動画でご紹介しておりますので、まずはこちらをご確認ください。
これにより、ご覧の通り、ガイドプレートが立ち上がり部分の膨らみを抑え込んでいるのが分かります。しわの原因となる板金の膨らみを防ぎ、内側も滑らかで高精度なR形状に成形することが可能となります。
詳細な工程としては、まず、板金の稜線を曲げ、フランジ部分を成形します。この状態で、R金型を用いて一緒に曲げR曲げを行います。

この際に、ガイドプレートで抑えた状態で、R曲げを行います。
このときに、ガイドプレートで抑えていなければ、立ち上げた部分(フランジ部分)が、曲げ加工時の圧力によって膨らんでしまうため、しわができてしまいます。

このガイドプレートを使用して、曲げ加工をした実際の製品もお写真でご紹介させていただきます。

本事例のように、側面に立ち上がり(フランジ)を伴うR曲げ形状は、本来曲げ工程のみで加工することは困難です。そのため、通常は前章で述べた「R形状の部品」を別途製作し、後工程で溶接する手法が第一の選択肢となります。
しかし、今回はガイドプレートを用いた特殊な曲げ加工を採用することで、曲げ工程のみでの成形を実現しました。これにより、別部品の製作や溶接・仕上げにかかる工程を丸ごとカットできたため、最終的な製品コストの低減につながっています。
【関連事例のご紹介】内側フランジのR曲げ事例
本事例と非常によく似た課題解決として、「内側にフランジがあるR形状」の一体R曲げ事例もございます。 内側と外側、どちらの方向への立ち上がりであっても、当社の治具技術を応用することで工法転換が可能です。併せてご覧いただくことで、より深く板金設計の可能性をご理解いただけます。
>>【テクニカルニュース Vol.98】立ち上がり付きR曲げ(内側)の事例はこちら
試作段階、量産前段階での積極的な課題解決、コストダウン提案をさせていただきます。
筐体設計・製造.comを運営する岡部工業では、単に図面通りに製作するだけでなく、設計段階からのVA/VE提案を通じてコスト削減と品質向上を追求しております。また、生産効率の向上によってお客様に大きなコストメリットが生じる場合には、最新鋭の設備導入を含めた最適な生産体制を柔軟にご提案させていただきます。
弊社が保有する汎用金型については、下記ページにて公開しております。標準金型にない特殊な形状であっても、今回の事例のように特注治具や専用金型を自社設計・製作することで、不可能を可能にする加工ソリューションを提供いたします。まずは一度、皆様の「こだわり」や「お悩み」をお聞かせください。
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